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シモーヌ フランスに最も愛された政治家

こんにちは、3年の堀部です。本日は三商合宿1日目ということで、午前中は三商合宿の説明と立技、午後は亀立ちを行いました。また、午前中の稽古には野瀬先生がいらっしゃいました。ありがとうございます。私自身は怪我により寝技ができず審判をしていましたが、今日立った足立先輩と藤田は20分やり遂げていたので、自分もやる気をもらえました。


さて今回はオフ中にU-NEXTで見た映画『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』について語りたいです。まず私は家だと集中できないので映画は映画館で観たい派なのですが、最近家庭教師バイトが入れておらず金欠なのでお家映画にしました。しかし結局タスクを思い出したり飽きたりした結果三分割してみる羽目になりました。Z世代のバカガキですみません。あとコーラくらいは用意すべきでした。


さて内容についてですが、何よりもまず、主演のエルザ・ジルベルスタインの演技が圧巻です。本作では時系列を行き来しながら政治家シモーヌの生涯を描くのですが、調べたところ特殊メイクを駆使して年代ごとに演じ分けているようです。加えて彼女の断固としたまなざしは、聞きしに及ぶシモーヌの強い我を雄弁に表現しておりました。そうして、アウシュヴィッツでの壮絶な経験から、法務大臣としての中絶法合法化への闘い、そして初代の直接選挙による欧州議会議長としての活躍まで、彼女の人生の光と影が丁寧に描き出されています。


先述の通り本作では時系列を巧みに行き来するのですが、これはオリヴィエ・ダアン監督が得意とする構成のようです。例えば同じ伝記映画である『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』では、主人公の歌手の、若かりし頃の成功への道と成功後病と薬物依存に苦しむ姿が交互に描かれていき、それらが収斂するように人生最後のコンサートへとつながっていく、という構成だそうです。本作でも、シモーヌの政治家としての行動や発言が、常にアウシュヴィッツでの体験と分かちがたく結びついていることを見せつけます。なぜ彼女がそこまで人間の尊厳や女性の権利のために闘ったのか、その根源を観客に深く理解させる、効果的な手法だと感じました。


このような時系列の交錯が好(ハオ)!というのが今回の本旨です。私が初めてそれを意識したのは、久米田康二作『かくしごと』という漫画を読んだ時です。主人公が愛娘に自身が下ネタギャグ漫画家(描く仕事)であることを「隠す」ハートフルコメディーなのですが、この作品では、単行本各巻の最初と最後に本編の8年後の時間軸の話が挿入されています。鮮やかなフルカラーながらも不穏な雰囲気で少しずつ進み、読者は本編との温度差にハラハラするも、最終巻でその伏線が回収される、という見事な構成になっているのです。本編のギャグも含めて今でも大好きな作品の一つです。


そして、「時系列の交錯」は、作品の本質を伝えるための効果的な手段なのです。『シモーヌ』での意義については上述の通りですし、『かくしごと』では過ぎた日々を昨日のことのように思い出していることが伝わり、さらに8年後時間軸がカラーで描かれているのも実はメタ的な意味があったりと…。とはいえ結局私がそういった創作物を好きなのは、それが人間のあり方だと思っているからなのでしょうか。一本の綺麗な線で描けるほど、私たちの生は単純ではない。無数の過去の破片が、今の瞬間に複雑な影を落としているのですから。


だいぶ脱線しましたが、巧みな構成と演技力により単なる偉人の一代記にとどまらない非常に味わい深い作品でした。フランス史や、女性史に興味がある方には、間違いなく心に響く一本だと思います。ぜひご鑑賞ください。


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3年 堀部

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