よく分からなかった映画達堀部薫2024年5月29日読了時間: 3分こんにちは、2年の堀部です。本日の稽古には櫻井さんが来てくださいました。いつもありがとうございます。木曜は部員が少ないので、外部の方が来てくれると特に助かります。試験も終わりということで、稽古も筋トレも全力で頑張ります。さて前回のブログでお話しした通り、映画「関心領域」を観てきたのですが、諸事情により4月以降に観た他の映画と合わせて感想を語ります。今回は以下の3本立てです。「オッペンハイマー」(クリストファー・ノーラン監督)「無名」(チェン・アル監督)「関心領域」(ジョナサン・グレイザー監督)感想:どれも暗くてよー分からんかった(笑)、以上!2年 堀部冗談はさておき、今回も一本ずつ語っていきます。とはいえよく分からなかったのは事実なので普段より短くなってしまいますがあしからず。まずは「オッペンハイマー」について。言わずと知れた原爆の発明者の人生を描いた作品であり、本作では原爆開発の場面と、終戦後に大量破壊の責任を問われる場面が交互に繰り返されます。科学的発明と人権道徳の矛盾が主題でありますが、彼の発明は善悪どちらなのかという結論は最後まで示されません。さてなぜ本作を難しいと感じたのか。理由は単純、登場人物が見分けられないからです。同じようなアメリカ人科学者が複数出てきても、誰がどの立場なのか覚えきれません。おそらくそれを乗り越えたら面白いと感じられそうなので勿体なかったです。続いては「無名」です。こちらは日中戦争を舞台にしたスパイ映画です。複雑な時系列シャッフルや迫力のある肉弾戦シーンがスパイ映画としての面白さを際立たせています。そんな本作がよく分からなかったのは、単純な知識不足によるものです。入試で世界史を選択した身としては恥ずかしい限りですが、最初に汪兆銘という名が出てきた際何者だったかさっぱり思い出せませんでした。史実を基にした映画はしっかり事前知識を得てから鑑賞しましょう。最後に今回のメインである「関心領域」についてお話しします。本作では戦時中のアウシュビッツ収容所の隣に住む司令官一家の生活が主に描写されます。外壁を越えて微かに収容所の音が聞こえる中でも、家族は気にすることなくありふれていて幸せな生活を続け、それを通じて無関心という恐怖を表現する作品です。さて本作の難しさははっきり言ってどうしようもないです。前の二つと違って作品自体が難解なので、頑張って考察していきます。作中で印象的だったのは、終盤、司令官であるルドルフ・ヘスがアウシュビッツを離れ各地を回っている際に、元いたアウシュビッツに戻れると伝えられるシーンです。家族を置いてきた彼は妻に喜びながら連絡をします。しかしその後のシーンでは不意にえずきだし、21世紀現在のアウシュビッツ収容所の描写を挟んだのち映画は終わりました。このシーンは、ヘスが実は収容所の隣での生活に苦しんでいたことの示唆ではないでしょうか。本作では収容所内の凄惨な現実は直接描かれませんが、彼は家族と異なりそれを直視する中で幸せな生活とのギャップに耐えられなくなっていたのでしょう。それゆえに、夫の転勤が決まっても元の家での生活にこだわっていたヘス夫人の「無関心」が際立ちます。自分は現実を正しく受け止めているか、身近で見逃しているものはないか。そんな疑問を突きつけられる映画でした。さて今回は期せずして第二次世界大戦下での米・中・欧を扱った映画の特集になりました。重たい社会系の映画が続いたので、次はアニメ映画でも観て気分転換しようかと思います。お読みいただきありがとうございました。2年 堀部
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